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勝目梓「黒の褥」(徳間書店)を読了。作者が世間にはなった「黒い腐蝕菌」は、どんな影響を今に与えたのであろうか。 主人公は若くてハンサムなスポーツマン。しかし、亡き母との淫らな、インモラルなセックスの思い出が主人公を縛り、愛する人との情交を遂げることができない。 亡き母の呪いから解き放たれようとする主人公は、拉致した行きずりの女性の頭に袋をかぶせ視界をさえぎった上で、バイブレーターを使ったオナニーを強要する。主人公は、その姿を写真に収めながら、激しい欲情を覚えるのだった。 おれの欲望の回路は悪意と憎悪とだけにむすびついている。 しかし、物語がねじれていくのはこの先だ。夫との倦怠期を迎えていた被害者は、逆にそうした異常な状況での性行為の魔力にとり憑かれてしまう。言うなれば、性の暗黒面に囚われてしまうのだ。 女の欲望の回路は恐怖心や悪徳の心にもつながっている。 そう、この小説は、母から子へ、男から女へ受け継がれる「倒錯へのひそかな誘惑」の物語、勝目版「ダース・ベイダー伝説」なのである。 発行日の1997年7月31日から10年が経過した。 すべての人に「倒錯へのひそかな誘惑」が訪れているかどうかは分からないが、少なくともバイブレーターを使ったオナニーに眉をひそめる向きはあっても、そのことをもって「変態」の烙印を押す人はもういないだろう。 そうした点から考えると、世の中全体が、少しずつ「倒錯へのひそかな誘惑」に浸食されているのかもしれない。 |
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またまた、12月の読書
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本の虫 2008/01/04 08:23 |
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