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曽根圭介「沈底魚」(講談社)を読了。今年度の江戸川乱歩賞受賞作。「大物の沈底魚が、日本に潜っている」、しかも国会議員として。中国人亡命者の衝撃的な証言がアメリカからもたらされるところから物語は始まる。国際的な諜報戦に翻弄される公安警察官の姿を描いた作品だ。 ちなみに、「沈底魚」とは、スリーパー=眠れるスパイのことだそうだ。長年にわたり一市民として潜伏し、いざというときに活躍するスパイのことらしい。 この作品に対する選考委員の評価の中で、綾辻行人氏の評価は「物語の進められ方が後出しジャンケン%Iにすぎる」と誠に厳しい。 たしかに、諜報戦をテーマにしているだけあって、物語は二転三転する。しかも、「実はこうだった」とか「あれも策略だった」という展開が多いことも否めない。綾辻氏といえば、本格ミステリの作家であり、謎解きを得意としている。その綾辻氏からすれば、この作品は読者に対してフェア≠ナはないと映るのかもしれない。 だが、視点を変えて、スパイの世界に自分を置いてみたらどうだろう。二重スパイ、三重スパイの可能性を一度意識したら、「誰が味方なのか」、「誰が真実を言っているのか」と、自分が普段信じていることのすべてが揺らいではこないだろうか。 そう考えると、仮に後出しジャンケン≠ナあったとしても、それは読者をだまそうと意図したものではなく、「他の作品との差は、一般的な価値観への疑義の深さ」とする天童荒太氏の読み方が正しいと私には思えるのだが、いかがだろうか。 |
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本「沈底魚」
第53回江戸川乱歩賞受賞作です。 エスピオナージ(諜報)もので、これは僕の好きな ...続きを見る |
はらやんの映画徒然草 2007/12/15 23:02 |
【曽根圭介】沈底魚
本年度の江戸川乱歩賞受賞作である。いや〜、『パッサカリア』の後だったので、とっても読みやすかった。もちろん「読みやすい=面白い」ということでは、決してないのだが。 ...続きを見る |
higeruの大活字読書録 2007/12/16 00:58 |
またまた、12月の読書
勝目梓「黒の褥」(徳間書店) 曽根圭介「沈底魚」(講談社) 週刊朝日特別取材班「悪党と政治屋」(朝日新聞社) 東野圭吾「容疑者Xの献身」(文藝春秋) 新潮社編「『週刊新潮』が報じたスキャンダル戦後史」(新潮社) 佐々木譲「制服捜査」(新潮社) 嶽本野ばら「変身」(小学館) 東野圭吾「片想い」(文藝春秋) 高山文彦「エレクトラ−中上健次の生涯」(文藝春秋) ...続きを見る |
本の虫 2008/01/04 08:23 |
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私は「後出しジャンケン」の意味は良く分からなかったのですが、大沢さんの「何もしなければ何も起こらない」(だったかな?)というコメントになるほどと思いましたね。 |
higeru 2007/12/16 01:01 |
higeruさん、コメントありがとうございます。 |
本の虫 2007/12/18 17:27 |
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