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東野圭吾「宿命」(講談社ノベルス)を読了。平成2年に発表された小説。宿命という言葉を辞書で引くと、「生まれる前の世から定まっている人間の運命」とある。いわば、タイトルそのものがこの小説の謎を解く鍵になっているのだが、これ以上は読んでみてのお楽しみに。 主人公は刑事。子供のころから学業にもスポーツにも秀で、クラスのリーダーだったが、宿命のライバルが転校してきて以来、小学校・中学校・高校と常に2番手に甘んじてきた。 それから10数年後、その宿命のライバルが殺人事件の被疑者として主人公の前に現れる。しかも、主人公のかつての恋人、家庭の事情で別れざるを得なかった女性を妻としていた。しかし、両者の宿命はそれだけではなかった・・・・・・。 ちょっと「作りすぎ」のような気がする。横溝正史のような因縁が因縁を呼ぶ状況設定なのだが、平成の時代を舞台とした物語の中でというのは無理がある。名探偵が登場するような浮世離れした物語であれば別だが、刑事が主役のリアリティが求められる展開ではいかがか。もちろん、読ませる小説にはなっているのだが。 ただし、かつての恋人への断ちきれぬ思いには共感できる気がする。やや時代がかった感情のようにも思えたが、ふかく愛した人への未練がましい気持ちや胸を焼くような嫉妬は普遍なのであろう。 |
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またまた、3月の読書
東野圭吾「宿命」(講談社ノベルス) 石井光太「神の棄てた裸体」(新潮社) 熊谷達也「箕作り弥平商伝記」(講談社) 万城目学「鴨川ホルモー」(産業編集センター) ...続きを見る |
本の虫 2008/04/07 17:12 |
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