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伊坂幸太郎「魔王」(講談社)を読了。この作家は、常に精神のバランスがとれているというイメージがある。小説を書くときも、締め切りに追われて冷や汗を流したり、どこかに雲隠れをしたり、そんなことは決してないんじゃなかろうか。 この作品は、きわめて近い未来の日本が舞台となっている。新しい政治リーダーの出現により国家主義の傾向が強まる中で、特殊な能力(?)を持った兄弟がかすかな抵抗を示していく。兄弟から見れば戦いを挑んでいるのだが、敵役の政治リーダーは兄弟の存在さえ知らないのだ。 これだけ読むと何のことだか分からないかもしれないが、とにかく面白いので読んでみてほしい。 ところで、私が作者に冒頭のような印象を持ったのは、作品を通す醒めた視線と作者の抽き出しの多さからだ。 今の日本に漂う「新保守主義」的な傾向や、インターネット社会の「情報」の危うさなど、現代社会を的確に捉えた上で、シューベルトの歌曲や宮沢賢治の詩をうまく使ったり、ところどころに蘊蓄をちりばめたりして物語の効果を高めている。 兄弟が武器とする特殊能力も、「偶然」で片づけられそうな「能力」なのだが、エピソードが積み重ねられるにしたがい、本当らしく思えてくる。 そんな、思わず「あるある」とうなずいてしまう「うまさ」があるのだ。 2月に読んだ開高健氏の「不器用さ」と比べると、とりわけその鮮やかさが目に付く。(もちろん、器用、不器用は作品の魅力とは関係ないのだが) これまでの作品を読んでみても、伊坂氏は、重いテーマを多彩なアイディアで軽く描いてしまうのが持ち味だ。しかし、私は、「イマ」の社会の危うさを長尺で書いてほしいとも思う。 もっともっと大きな作家になってほしいと思っている。 |
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魔王 / 伊坂 幸太郎
魔王伊坂 幸太郎 「腹話術」の能力を持つ安藤は、その力を武器に抗えない流れに立ち向かい、そして―「魔王」と「呼吸」の2編の連作になっています。えーと、私は「魔王」がより ...続きを見る |
GOKURAKU Days 2006/03/13 14:49 |
魔王
魔王 伊坂 幸太郎 ...続きを見る |
Book Review’S 〜本は成長の... 2006/04/25 08:02 |
魔王 伊坂幸太郎
魔王 ■やぎっちょ評価コメント ...続きを見る |
"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書... 2006/05/20 16:42 |
『魔王』 伊坂幸太郎
「魔王」と聞いて思い浮かぶのは、 作中でも出てきたけれど、 中学だか高校高の音楽の教科書に乗ってた、 シューベルトの歌曲『魔王』。 ...続きを見る |
*モナミ* 2006/08/05 15:22 |
魔王 [伊坂幸太郎]
魔王伊坂 幸太郎著 amazonでレビューを見る オンライン書店BK1でレビューをみる 未来にあるのは、青空なのか、荒野なのか。 世の中の流れに立ち向かおうとした、兄弟の物語。 政治家の映るテレビ画面の前で目を充血させ、必死に念を送る兄。山の中で一日中、.. ...続きを見る |
玉葱の本棚 2006/10/04 00:48 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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TBありがとうございました。こちらからもさせていただきました。 |
TRK 2006/03/13 14:57 |
TRKさん、こちらこそありがとうございます。 |
本の虫 2006/03/13 22:36 |
モナミさん、トラックバックありがとうございます。 |
本の虫 2006/08/06 13:04 |
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