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help リーダーに追加 RSS 佐々木譲「制服捜査」(新潮社)

<<   作成日時 : 2007/12/20 22:39   >>

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 佐々木譲「制服捜査」(新潮社)を読了。ここで言う「制服」とは警察官の制服のこと。この小説は、制服警官すなわち駐在警察官を主人公にした佐々木氏ならではの硬質な連作小説集である。

 主人公の川久保巡査部長は勤続25年のベテラン警察官。しかしながら、刑事課の盗犯係や強行犯係での経験が長く、初めての駐在所勤務となる。
 佐々木氏の他の警察小説同様、この物語の背景にも北海道警の稲葉警部事件がある。事件をきっかけに、警察官の腐敗の温床となる業界や地域との癒着を防ぐため実施された大規模な人事異動が、この物語の伏線になっている。

 ところで、駐在警察官に期待される役回りとは何であろうか。家族とともに管轄する地域に移り住むことから考えると、駐在警察官が住民を監視したり厳しく取り締まりを行って、住民と対立関係になるということは考えづらい。むしろ、地域の一員となり、犯罪を防ぐため住民の協力を得ようとするであろう。地域に迎合し、「よそ者」を排除する方向に向かうかもしれない。

 その結果、駐在警察官は、犯罪者をつかまえるのではなく、地域の防犯会長など有力者と「うまく」やりながら、「犯罪者を出さない」ようにさえなる。この小説で描かれている「町」もそんなふうに駐在警察官を扱ってきた。

 ここで、伏線が生きてくる。そうした駐在警察官の役回りにどっぷりつかっていない、むしろ違和感を覚えている主人公は、「町」にとっての「異物」なのだ。そして、逆に、その主人公が人口6,000人の町に見るのは、退屈さと静けさの仮面をかぶっているものの、その実、「割れた窓ガラス」がいくつも連なる荒廃した街並みである。

 駐在警察官は、事件現場に臨場するものの、黄色い立ち入り禁止テープを張り渡し現場保存に携わるだけで、捜査に加わることはない。
 そんな一駐在警察官が、地道な「捜査」の中から、表面上は犯罪のない「正しい」町の裏側に潜む影をあぶり出していく。作者の着眼のするどさと、ものごとの表裏・光と影について考えさせる秀作である。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
佐々木譲 『制服捜査』 新しい切り口の警察小説だ。
『うたう警官』で著者の新ジャンルでの復活を感じたものだから昨年発表のこの『制服捜査』を手にとった。「これが本物の警察小説だ!」と帯封にあったが、本物かどうかは別にして警察小説といわれるジャンルをこれまでにない切り口で見せた。その斬新さはさすが。佐々木譲の手腕、健在である。 ...続きを見る
日記風雑読書きなぐり
2007/12/27 23:47
佐々木譲 『制服捜査』
 長い間強行犯係であった川久保は、道警の不祥事による玉突き人事で志茂別という帯広近くの田舎町での駐在所勤務となった。妻子を残しての単身赴任である。しかし、管内で最低の犯罪発生率という田舎町は秘密を持っていた。 捜査に加わることができない駐在を描いた連作... ...続きを見る
積んどく? 読んどく?
2007/12/29 08:37
またまた、12月の読書
勝目梓「黒の褥」(徳間書店) 曽根圭介「沈底魚」(講談社) 週刊朝日特別取材班「悪党と政治屋」(朝日新聞社) 東野圭吾「容疑者Xの献身」(文藝春秋) 新潮社編「『週刊新潮』が報じたスキャンダル戦後史」(新潮社) 佐々木譲「制服捜査」(新潮社) 嶽本野ばら「変身」(小学館) 東野圭吾「片想い」(文藝春秋) 高山文彦「エレクトラ−中上健次の生涯」(文藝春秋) ...続きを見る
本の虫
2008/01/04 08:23
佐々木 譲 著 『制服捜査』
制服捜査posted with amazlet on 08.01.20佐々木 譲 新潮社 (2006/03/23)売り上げランキング: 13070Amazon.co.jp で詳細を見る  北海道警察本部釧路方面広尾警察署  志茂別町駐在所での出来事5篇  「逸脱」「遺恨」「割れカラ& ...続きを見る
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2008/01/21 01:50

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